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意外と知らない南極大陸!その意外な秘密から南極条約、南極観測船について!

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南極と聞いても「地球のいちばん南ですごく寒いところ」ぐらいしか思い浮かばない人もいるのではないでしょうか。
南極とは、いったいどんな場所なのでしょう?

南極大陸ってどういうところなの? 南極条約って何?

南極大陸の大きさ

南極を中心に広がる地球のもっとも南にある大陸が「南極大陸」です。
面積は、大陸沿岸の棚氷を加えると約1400万平方キロメートル――
ピンとこないかもしれませんが、かなりデカいです。オーストラリア大陸の2倍に相当します。アメリカ合衆国よりも大きいです。

英語では、Antarctica(アンタークティカ)。

ちなみに北極のことは、Arctica(アークティカ)と言います。
南極は、否定を意味する「ant」という接頭辞が、北極を意味する「Arctica」に付けられただけです。
つまり英語では、「北極ではないもの」が南極という意味になるようです。

南極大陸の気候

ほとんどの地域が氷雪気候区に属しており、一年じゅう氷雪によって閉ざされています。
冬の内陸高原では、マイナス60度に達します。
寒いです。地球一寒いです。
1983年にはボストーク基地で、マイナス89.2度という最低気温が記録されました。

南極大陸の領有権

南極大陸に永住している人はいません。定住するには環境が厳しすぎるからです。
ですが、1908年にイギリスが南緯50度以南、西経20度から80度に至る範囲の領有権を主張したのを皮切りに、ニュージーランド、フランス、オーストラリア、ノルウェー、チリ、アルゼンチンがそれぞれ領有権を主張しはじめます。
誰も住んでいないのに、各国が「ここからここまでは自国の領土」と言いだしたのです。

1957年から1958年に「国際地球観測年」と呼ばれる国際協力による全地球規模の観測が実施されます。
これがきっかけとなり、南極大陸の平和利用を求める気運が高まっていきます。
そして1959年、南極条約がワシントンで調印され、1961年に発効されます。
これによって各国が主張していた領有権は無効になりました。
この条約により「科学的調査の自由」と「国際協力」が推し進められ、南極は平和利用を目的とした場所になったのです。

北極との違いや生活方法について!

北極と南極は、位置が正反対なだけで同じようなところ――と思ってしまいがちですが、実はけっこう違います。

南極と北極の違い

北極は陸地ではありません。
北極点周辺は一年じゅう凍結しているため、陸地のような氷が浮かんでいますが、あるのは海と氷だけです。

南極は大陸です。陸地の上に氷雪が積み重なっています。
そのため氷が厚く、平均しておよそ2450メートルの高さがあります。
高さがあるので気温がそれだけ低くなります。
北極の平均気温がマイナス25度前後なのに対し、南極はマイナス50度以下――南極のほうがだいぶ寒いです。

生息している動物も違います。
北極にはアザラシのほかに、ホッキョクグマ、ホッキョクギツネ、ホッキョクウサギ、トナカイなどの陸生ほ乳類がいます。

南極には、陸生ほ乳類は生息していません。
環境が厳しすぎるからです。
その代わり、北極には生息していないペンギンがいます。

南極での生活

北極や南極に定住している人はいません。
ですが、南極には一定期間の滞在をしている南極地域観測隊(南極観測隊)の人たちがいます。

隊員は、観測基地で生活をします。
閉鎖された空間で同じ人とだけ会い、観測の仕事に明け暮れる毎日です。
宇宙飛行士と同様、ストイックな生活ができる強いメンタルがなければ務まりません。

南極条約により、南極の動物を捕獲したり食べたりすることは禁止されています。
そのため、食事は日本から持ち込んだ食材でつくります。南極に住んでいても、食べるものは私たちと一緒のようです。
ただ、海氷に穴を開けて魚釣りをしたり、釣った魚を料理して食べることはあるようです。
観測中の野外での食事は、手軽なカップラーメンが重宝されています。

厳しい環境の中でのストイックな生活になりますが、特殊な環境ならではの特権もあります。
野生のペンギンやアザラシを、間近で見ることができます。
そして、オーロラを観測することができます。

南極観測隊の歴史や、歴代の南極観測船について!

南極基地での活動について

国際地球観測年の観測・調査に、日本も参加しました。
1956年、第1次南極地域観測隊がオングル島に上陸し、昭和基地を開設します。

その後、
1979年、みずほ基地
1985年、あすか基地
1995年、ドームふじ基地
が開設され、研究、調査、観測をおこなっています。

南極観測船とは

南極への物資補給、人員派遣、観測や実験任務をおこなう調査船は、「南極観測船」と呼ばれています。
これまでに4隻の観測船が日本と南極との往復に用いられてきました。
船にはヘリコプターも搭載されています。

○初代 宗谷(1957~1962)

海上保安庁の巡視船(砕氷型)。最初の観測船であり、日本の南極観測事業の礎を築いた船。1940年から1945年まで大日本帝国海軍の特務艦として従事していた経歴があり、現存する貴重な日本海軍艦。

○2代 ふじ(1965~1983)

海上自衛隊の艦船。日本では初の本格的な極地用砕氷艦。艦名は富士山に由来。

○3代 初代しらせ(1983~2008)

海上自衛隊の砕氷艦であり、当時、最大級の大型艦。現在は気象観測船SHIRASE。

○4代 しらせ・2代目(2009~)

海上自衛隊の艦船であり、初代しらせの後継艦。砕氷能力を向上させた曲面形状の艦首が特徴。

南極観測船しらせの現在位置は?!

現在南極へは、しらせ・2代目が任務にあたっています。

じつは、そのしらせがどこにいるのかを、定期的にプロッとしているページを見つけました。その名も…

進め!しらせ

平成29年11月現在は第59次航海に関する情報が掲載されています。

ちなみに、昨年の第58次航海の経路はこんな感じ。

まとめ:未知なる極寒の地、南極

マイナス60度以下の世界なんて、正直、想像すら難しいです。
極寒の地、極限の環境ではあるけど、そのぶん未知への期待やロマンに満ちあふれている場所――
それが「南極大陸」なのかもしれません。

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