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ベーシックインカム制度って本当にメリットはあるの?日本での可能性や問題点を調べてみた。

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ベーシックインカムという言葉がテレビや新聞などのマスコミで飛び交っています。
希望の党敗退とともにトーンダウンしましたが、2017年の衆議院選挙では、希望の党が公約に入れていました。

ベーシックインカムは、こうした問題に対して、ある程度の解決策となるのではないかという期待がそこにはあるようです。
そこで、ベーシックインカムについて、少し掘り下げてみることにします。

ベーシックインカム制度とは何か?実際に導入している国はあるのか?

ベーシックインカムとは、政府が性別、年齢に関わらず無条件で、すべての国民に生きるために必要な最低限の金額を支給するという制度です。
つまり、毎月国から何もしなくてもお金がもらえるというものです。
これだけ聞くと、とてもうれしい制度のように見えます。

しかし、このような制度を実施していくことができるのか、本当に効果があるのかについてはどうなのでしょうか。
実際にこのベーシックインカムを実験的に行った国があります。

古くは1970年代のカナダのマニトバ州での実験です。このときは政権交代等により途中で終了しましたが、社会保障と教育での成果があったとされています。社会保障では病院における入院期間が減少し、メンタル面での改善があり、教育では高校課程への進級が増えたというものです。

2010年代になると2017年にフィンランドでの実験的プログラムが始まり、カナダのオンタリオ州でも実験を開始することになりました。フィンランドの実験結果につても、既にストレス軽減の効果があったケースの報告がされています。このほかオランダでも試験を行っています。

ベーシックインカム制度のメリット・デメリットとは?

ベーシックインカム制度により引き起こされるメリット・デメリットについては色々と予想されています。

ベーシックインカムのメリット

まずメリットの方です。

生活するためのお金の心配が無いのですから、どんな仕事でも気軽に探すことができますし、企業側も働き手を容易に探せるようになる。
つまり失業率が下がり雇用の柔軟性が高まるというものです。
自由に仕事を選べるのですから、新たな産業が生まれる可能性も大きくなります。
働く側と雇う側の関係も変化し、雇う側は生産性や労働条件を工夫しようとします。

ベーシックインカムのデメリット

一方デメリットはどうでしょうか。

生きていくための最低限の暮らしができるようにお金が支給されるので、食べることについての心配はなくなります。
その反面、働かなくても生活できるならば、当然働こうとしなくなることも心配されます。
そして働くことに対する意味を見失うことは生きていく意味をなくすことになりかねません。

また、支給されたお金を各自が計画的に使うかどうかは分かりません。
一度に沢山使ってしまって、次の支給までの生活費がなくなる人も出てくるのではないでしょうか。
そして使い方についても、食べ物だけでなくもっと娯楽的なことやギャンブルなどに使い込むことも考えられます。

ベーシックインカム制度。日本での導入の可能性は?財源はどうする予定なのか?

ベーシックインカムを実施するための財源の確保も簡単ではありません。
現在、財源として考えられているのは、税収と現在実施している社会保障手当金になります。
つまり、増税するか現在の社会保障制度を見直し(撤廃も含みます)て、それをベーシックインカムにあてるというものです。

日本は社会保障が進んでいる北欧に比べかなり税率が低くなっています。
日本は国の歳入の多くを国債で賄っているのですから、ベーシックインカム制度を導入しようとすると、まず増税の必要性は高くなるでしょう。
その上で現在の社会保障制度の一部廃止により、財源の確保を目指すことになります。

これにより派生する様々な問題についても、検討する必要があります。
ただ、社会保障制度の改革という視点から考えると、ベーシックインカムは検討することはそれなりの価値があり、やり方次第では実現も可能であると考えられます。

まとめ

高齢化社会での社会保障制度が、世界中で問題になっていることがその背景にあることは容易に想像できます。
ヨーロッパではこうした問題意識はかなり早くからあるようです。

もう一つの背景としてあるのは、失業率の増加です。
特に、テクノロジーが進んでいく将来において、今の仕事のほとんどがロボットなどの機械に取って代わることが予想されています。

こうした高齢化社会、人が働ける仕事の減少という世の中になった時、国が行う社会保障制度はどのようにすれば良いのか。
この答えのひとつとして取り上げられてきたのがベーシックインカムなのです。

現在でも各国それぞれに社会保障制度があり、失業者対策や貧困者救済の措置などを実施しています。
しかし、そこには受給の手続きや条件、あるいは働く人々にやる気を持たせるための工夫など、様々な問題が存在しています。

ブラック企業が問題になっているように、労働環境の悪化や労働者不足などが懸念されている日本でのベーシックインカム導入は、膠着化している雇用に流動性を促すかもしれません。

近い将来のAI化は間違いなく到来します。
今後の技術の進展等を見据えるならば、今から導入に向け、検討を進めていくべきなのでしょう。

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