東京・新宿区の高層タワーマンションで起きた25歳女性刺殺事件。
犯人の和久井学容疑者(51)には、一見付けがたい愛着の対象がありました。
それは長年乗り続けてきた愛車のバイクとスポーツカーです。
発表された情報によると、和久井容疑者はホンダの大型ツアラー「NR750」と名車「NSX」を所有していました。しかしその両方を、事件の約2年前に売却していたことが分かっています。
なぜ愛着のあるはずの愛車を手放す決心がついたのか。売却と被害者の女性との関係が指摘されるなど、車とバイクが事件の背景を垣間見る鍵を握っている可能性があります。
和久井学とバイク遍歴
和久井容疑者が所有していたのは、ホンダの大型ツアラーバイク「NR750」でした。
同車両は希少車種として知られ、扱いの難しいV4エンジンを搭載していることでも有名です。和久井容疑者はこのNR750に約16年もの長きにわたりこのバイクにまたがっていました。
福井新聞社会部記者の取材で、和久井容疑者の父親は次のように語っています。
「オートバイは高価だったが、16年間大事にしていた」。長距離ツーリングが趣味だったこの和久井容疑者は、NR750を非常に大切に扱っていたようです。
また、和久井容疑者のインスタグラムには「16年間大事にしてきたNRの嫁ぎ先が決まりました。NR君、16年間の君との楽しい思い出は忘れない」といった投稿もあり、バイクへの愛着の深さがうかがえます。
和久井学の自動車遍歴
和久井学容疑者が愛着を持っていたのはバイクだけではありませんでした。実はホンダの名車「NSX」も長らく所有し、大切にしていたことが分かっています。
NSXは1990年から2005年まで製造されていたホンダの傑作スポーツカー。
V6エンジンを配し、ホンダのテクノロジーの粋を集めた一台でした。
和久井容疑者がこのNSXを手にしたのは1999年のことで、実に20年以上の長きにわたり乗り継いでいたモデルだったのです。
車好きとして知られる容疑者は、ジムカーナの大会にも出場しており、運転を存分に楽しんでいた様子がうかがえます。
インスタグラムには「20年9カ月乗ったNSXを手放しました」と愛着の深さを示す投稿もありました。長年大切にされてきた相棒だっただけに、NR750同様、その思い入れは並々ならぬものだったのでしょう。
平沢俊乃へ貢ぐためにバイクや車を処分か
しかし、そんな愛着のあるはずのNR750とNSXを、和久井学容疑者は事件の約2年前に売却していました。具体的には、NR750が2021年11月、NSXが同年12月に処分されています。
この売却には、平沢俊乃さん殺害事件の背景が関係していると見られています。供述によると、和久井容疑者は「1,000万円以上を平沢さんに渡していた」そうです。
長年愛着を持ち続けてきたバイクや車を換金し、その資金を女性に注いでいたと考えられます。
しかし、のちに金銭トラブルに発展したことから、「金を返してもらいたかった」と述べていることからも、不自然な金銭授受があったことが疑われます。
愛車の売却は、平沢さんへの渡し金捻出のためだった可能性が高そうです。
NR750とNSX「1,000万円以上貢げる納得の査定額」
和久井学容疑者がこれほどの愛着を持っていたNR750やNSXを手放すに至った背景には、平沢俊乃さんとの関係が大きく影響していたものと考えられます。
供述によれば、和久井容疑者は平沢さんに1000万円以上の現金を渡していました。
その資金を得るため、希少価値の高いNR750(中古車で平均748万円~1046万円程度)と名車NSX(中古車で670万円~5930万円)の2台を売却したと見られています。
長年愛用してきた愛車2台を手放す決心をするほどに、執着心が強かったのでしょう。
しかし、のちに金銭トラブルに発展し、「金を返してもらいたかった」と述べていることから、単なる贖愛関係ではなかった様子がうかがえます。だったとしても、それほどの高額な金を要求されれば、一般人ならとても払えるはずがありません。
ここに至り、強い執着心と所有欲が禍根を残してしまったのかもしれません。車両価格から判断して、相当の高額を注ぎ込んだはずです。
それでも思うようにいかず、遂に殺意へと走ってしまった可能性があります。長年の愛着を持っていたはずの愛車2台の売却が、凶行に至る重要な鍵を握っていた可能性は否めません。
和久井学のキャバ嬢被害者は平澤俊乃「またストーカー逮捕からの事件か」
コメント