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一刀流と二刀流の剣道の構えについて

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一口に剣道といっても実はいろんな構えがあります。

剣道といえば竹刀一本で戦ってるのをイメージされると思いますが、少数ながら二刀流の選手もいます。そこで、一刀流と二刀流に分けてご説明します。

剣道一刀流の構え

剣道をやられている方のほとんどが竹刀一本で鍛錬されております。
実は、この中にも5つの構え(五行の構えといいます)があります。

詳しくは、こちらの動画がとても分かりやすいので、ご覧ください。




中段の構え

剣道をやられている方のほとんどがこの構えをとっています。
剣先を相手の喉元に合わせるのが基本です。
右足前、左足後ろで左足の踵を上げ、打突時に左足で蹴って前へ出ます。

面、小手、胴、突きのどの技にも対応しやすい構えであり、攻撃にも防御にも切り替えやすいことから、バランスのとれた構え且つ剣道の基本の構えとされており、この構えを修得した上で、他の構えに移行するのが基本です。
※剣先を合わせる位置(左目、目の目の間など)によって構えが若干変わりますが、ここでは割愛します。

上段の構え

中段の構えを除く構えの中で、最もとられている構えで、一言でいうと「攻撃型」の構えです。高校生以上から上段の構えをとることができます。

見たことがある人も多いかもしれませんが、中段の状態から竹刀を頭上に上げる構えで、中段に比べて相手への打突時の軌道が短く、攻撃速度が他の構えに比べ、群を抜いています。
また、片手での打突が可能となるため、両手での打突よりリーチが長くなり、遠間からの攻撃ができます。これが上段の構えの最大の武器になります。

このように攻撃型である一方、防御面については他の構えに比べ手薄となる点があります。
まず、面以外は甲手、胴、突は無防備です。
また、剣道のルールで甲手は中段の構えでは右甲手のみ有効ですが、手元が脇より上にある場合においては左甲手も有効となります。上段の構えは手元が頭上にあることから、左甲手が有効となりますので、無防備な部位が更に1つ増えます。

これらの手薄となる防御面を補える攻撃速度と度胸が必要となり、相当な鍛錬が必要です。
上段の構えを始めるときにまず稽古(練習)すべきことは、足さばきと片手素振りです。
中段の構えでは右足前、左足後ろでしたが、上段の構えでは足が逆になりますので、基本の足さばきの稽古(練習)を徹底的に行うことが重要です。

また、上段の構えの最大の武器である、遠間からの片手面を修得するためには、片手で自在に、スピーディに竹刀を振れるようにしなければなりませんので、片手素振りも徹底的に行うことが重要です。

下段の構え

上段の逆の下段の構えですが、一言でいうとこれまた上段と逆で「防御型」の構えです。現在の剣道界でほとんどとられることのない構えなので、いつから構えが取れる、という基準は定められておりません。

中段の構えから剣先を相手の膝下あたりに向けて構えます。

防御型と呼ばれる所以ですが、下段の構えでは、まず甲手、胴が打ち込めません。ただ、剣先を下げているので、面と突きが無防備になりますが、下段の構えだと避けやすいです。無防備が故に、相手も簡単に打ち込める、と思い、打突軌道がとてもシンプルになってしまうので、軌道が読みやすいためです。

そんな下段の構えですが、攻撃にはやや不利です。

下段からの攻撃は、相手が出てくるところを捉える、いわゆる「カウンター攻撃」が主になりますが、先程説明した上段の構えが打突軌道が短いのに対し、下段の構えは打突軌道が長いため、よほど竹刀の振りが早く、手首が強い方でなければ上段、中段のスピードに対応できません。なので、相当な上級者向けの構えと言えます。

八相の構え

初めて聞く方が多いかもしれません。現在の剣道界でまずとられることのない構えです。
剣道には「日本剣道形」という、剣の基本を組み立てた形がありますが、現在では形でしかとられない構えです。

構え方は、先程説明した上段の構えから、手元(竹刀の鍔)を自身の右の口元あたり持っていき、剣先を天に向ける形で、野球のバッティングフォームにやや似ています。

この構えは昔の真剣で戦を行なっていた時代に使われていたそうで、剣先が天に向いているので、最小限の力で相手を切ることができるため、長時間真剣を振れる、という利点があったそうです。

また、構えたときに左の腕から肩の部分で、急所となる心臓と喉元が隠されるため、戦でら防御面も重宝されていたそうです。
真剣を使った実戦向きの構え、ということです。

脇構え

八相の構えと同じく、現在の剣道界でまずとられることのない構えで、形でしかとられない構えです。
構え方は、右足を後ろにし、左手をへそあたり、右手を右腰のほうに持っていき、剣先を右後ろ方向に向ける形となります。

この構えは相手に対して半身になるため、急所の多い正中線を相手から外すことで防御力を高めることと、剣を右後ろ方向にすることで相手は剣が見えず、剣の長さを図ることができないため、間合いをとられないようにする、という利点があったそうです。
こちらも、真剣を使った実戦向きの構えです。

以上、一刀流の5つの構えを説明しました。

つづいて、二刀流の説明をします。

剣道二刀流の構え

二刀流といえば、かの有名な宮本武蔵をイメージされる方が多いかと思います。
この二刀流は、数は非常に少ないながら、現在の剣道でもとられる構えです。
二刀流は成人でないと構えをとることができません。

先ほどと同じ方が二刀流の動画をアップされているので、参考までにこちらもご覧ください。




太刀(竹刀)と小太刀(短い竹刀)の二本を使い、構え方は小太刀を右手に持ち相手に剣先を向け、太刀を左手で持ち上段の構えのように頭上に構えます。

小太刀で相手の剣を払い隙をつくり、太刀で打突する、というのが主の攻撃方法です。また、小太刀で相手の攻撃を受け流しながら、同時に太刀で打ち込むこともできます。

一刀より二刀のほうが強いのでは?と思う方もいると思いますが、正直にいうと一刀のほうが強いと思います。

二刀流の主なデメリットは
・竹刀を片手で自在に操れる体力、腕力、握力が必須
・右手と左手が瞬時にバラバラの動きができないといけない
・小太刀での打突は有効打とならない
・防御する際、相当な腕力と握力がないと相手の両手打ちを受け流しきれない
です。

あと最大の難点は、二刀流を教えることができる先生が圧倒的に少ないことです。独学での習得はかなりの努力と研究が必要かと思います。

まとめ

剣道の構えについて説明してきましたが、現在の剣道界においてとられる構えとしては、中段の構えと上段の構えの2つといっても、ほぼ過言ではありません。

もし下段の構えや二刀流の方を見かけたときは、どう戦っているのか、よく観ながら試合観戦して頂くとちょっと面白く剣道が観れるのではないかな、と思います。

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