高校野球といえば、ひと夏に全てをかける球児たちの汗と涙に、全国が感動します。
マンガの世界に負けないくらい輝く青春に、誰もが一度は憧れるのではないでしょうか。
そんな球児たちを誰よりも近くで見守り支え、応援するのが、野球部のマネージャーです!
洗濯をしたり、お茶やおにぎりを作ったり、試合のスコアをつけたり。
そして何より!いつも癒しのニコニコ笑顔で、明るくかわいい存在!
正直、かわいい事こそが存在意義のような印象すらあるかと思います。
・・・しかし実際は、想像よりもはるかにハードなお仕事だって事を知っていましたか?
常にニコニコなんてしていられない!?
ハードなお仕事から楽しいお仕事まで、元野球部マネージャーが大公開しちゃいます!
飲み物を用意するだけで、毎日20kgの重労働!
練習でも試合でも、激しい運動をしている選手たちにとって水分補給は欠かせません!
しかし、お茶やスポーツドリンクを用意するのだって、冷たいものを何十人分ともなると一苦労です。
まずは氷の準備。
1日の練習に5リットル分くらいは必要なので、クーラーボックスを持って調達に向かいます。
よく聞くのは、学校の冷凍庫を借りて牛乳パックで特大氷を作ったり、運動部用に製氷機が備わっていたり。
試合で外に出るときには溶けてしまうので、父母会の方々に車で買ってきてもらったりもします。
飲み物があってもぬるかったら意味がありませんし、アイシング作りにも使用するので、氷の調達は何よりも優先されるべきと言えますね。
氷の次は水を用意する
氷の調達が終わると次は水です。
水は練習でも試合でも、1回につき20リットルくらいは必要なので、使用するのはキャンプで使うような大きいウォーターボトルです。
最寄りの水道で水をいっぱい溜めて、一生懸命持って帰ってきます。
しかし、これは1回では終わりません。
たいていの場合は「お茶」「スポーツドリンク」の2種類を用意するので、また別のボトルを持ってもう一度出かけることになります。
初めは何も分からないまま先輩に「これに水入れてきて」と言われ出かけましたが、いざ帰ろうとした時の重さに絶望を感じたのを今でも覚えています(笑)
麦茶とスポーツドリンクの準備
最後に、飲み物の作り方のご紹介です!
お茶は、ボトルに麦茶パックを2~3個入れてかき混ぜながら味を出しますが、かなり薄味です。
スポーツドリンクは、粉末をコップで一度溶かしてからボトルに入れてかき混ぜます。
大きいボトルは深く、底までかき混ぜるには手を入れないといけなくなるので、粉状のまま入れると溶かせなくなってしまいます。
水の量によって粉末の量は調整しますが、こちらもかなり薄味になってしまいます。
薄味ばっかり!と思うかもしれませんが、慣れると結構おいしく感じます(笑)
選手と一緒にグラウンドへ!ノック・ランナー・バッティング練習のお手伝い
まず、ノックと言えば様々な打球を追いかけてキャッチする、野球の守備には欠かせない練習です!
擬似試合のような場面ではありますが、マネージャーはどんな事をするのかご紹介したいと思います。
球を出す監督やコーチへボールを渡す
休みなく打つために、球出しをする人の手元が空になったらボールを渡します。
気を付ける点は、自分がバットに当たらないように下がることと、渡すボールをポンポン軽く投げて土などを落としてあげることです。
キャッチャーフライを出す時は監督が広いところに移動するので、ちゃんとくっついて行きます。
球拾い
選手はキャッチし損ねたら「もう一回!」とすぐ次の打球に挑みます。
なので、飛んで行ったボールは拾いに行ったり、外で待機している選手に転がしてもらったりして回収します。
あとは、選手がキャッチした球を入れる用にボールケースが置いてあるので、ケースがいっぱいになったら球出し用のケースに補充しに行きます。
ランナー練習のサポート
続いて、ランナー練習についてです。
ランナー練習では、きちんとベースを踏みながら走る事を目標としますが、練習をするのは野球用のグラウンドでない事も多いと思います。
その場合はベースを地面に挿して固定することができないので、選手が踏んだ反動で動いてしまいます。
しかしいちいち直していられないので、マネージャーはベースからなるべく離れながら端っこを踏み固定します。
選手が全速力で走ってきてベースを踏んで曲がっていくのですが、反動を受けるのでとても迫力があるというか、正直怖いです(笑)
バッティング練習のサポート
最後は、バッティング練習です。
バッティング練習というと、バッティングセンターのような機械を想像するかと思います。
もちろん機械への球入れをお手伝いすることもありますが、今回は目の前に置いた袋状のネットに向かって打つ練習での球出しをご紹介します。
腰元の速くない球を打つ練習で、バッティングのフォームや、しっかりバットの芯を当てる感覚を確認します。
お手伝いをする時は選手の斜め前あたりにしゃがみ、選手の投げてほしい高さに合わせて球をテンポよく投げます。
「投げる」と言っても、”手を離す”というか、浮かせる感覚に近いです。
相手との関係性はお餅つきに近いような感じで、投げる・打つ・投げる・打つを繰り返します。
コツを掴むまでなかなか難しいですが、高さやタイミングが合う選手からは指名でお願いされたりもするので、やりがいがありますね!
実は意外と難しい?氷を使ったアイシング作りのコツを伝授
アイシングとは、運動後の筋肉を冷やしてクールダウンさせたり、練習中などに痛めた箇所を冷やすためのものです。
運動部ならどこでも必須で、氷だったり保冷剤だったりスプレーだったりと様々な形のものがあります。
氷で作るタイプはビニール袋に氷を入れて結んで作りますが、毎日数十個は消費される上に、作るのは意外と難しいです。
何が一番難しいかというと、空気が入らないようにすることです。
ここでは選手が使いやすいアイシング作りのコツを伝授しちゃいます!
- ビニール袋に、4段くらいのピラミッド状に氷を並べる
- 体と手で平らにして固定して空気を抜き、縛る箇所をつまむ
- つまんだまま体から離し、氷の入っている方を回転させるとねじれる
- ねじれた状態で袋を結ぶ
あまりギリギリで結んでしまうと氷の位置の融通が効かなくなってしまうので、少し離して結べると満点です!
冬は冷たくて手が痛くなるので、寒くなる前にコツを掴む事をおすすめします(笑)
選手のユニフォームを回収したら、きれいに畳んで保管しましょう!
夏冬にはあまりありませんが、春秋ごろは気温がまばらなのでユニフォームの上着を脱いだり着たりすることがあります。
ここでの上着というのは、メッシュ生地のユニフォームのさらに上に着ている、ジャンパーみたいなものを指します。
運動して暑くなると、選手は近くのマネージャーに上着を渡したり、誰もいなければ脱ぎ捨てていたりします。
それらを回収して並べて置いておくのがマネージャーの仕事です。
デザインは学校によって様々だと思いますが、名前が見えるような畳み方があって、服屋さんのように並べられます。
慣れてくると、1秒できれいに畳めるようになりますよ!
並んでいる数が多い時は、上着を取りに戻って来た選手と一緒に探してあげると良いでしょう。
遠征用バスの掃除は、始発もないような早朝から!?
野球部の練習試合は、電車では時間がかかるような遠くの学校と行う事も多いです。
練習試合では3校で集まり総当たりなんてことが結構あり、1日に3試合になるので、朝10時くらいには開始したいところです。
逆算するとなんだかんだで朝6時くらいには学校を出発する時もあり、バスはそれまでに掃除されていなければいけません。
床掃き・窓拭き・ゴミの回収・トランクスペースの整理・・・これを朝5時に来て済ませます。
もちろん始発もないような時間だったので、電車通学だった私は親に車で送ってもらっていました。
遠出の試合は土日と続くこともあり、さすがに眠くて無言の掃除タイムになってしまいますね(笑)
これがないと試合にならない!?ボールやロジンの用意
試合では、各学校が新品のボールを持ち寄って使います。
相手校の用意する分もありますが、自分たちも5個くらいは持っていくと良いでしょう。
また、みなさんは”ロジン”って知っていますか?
投手が投げる前にポフポフしている、石灰の粉が入った袋状のものです。
私の学校では試合で使うボールとロジンを用意するのはマネージャーの仕事でした。
誰でも分かる事ですが、これがないと試合になりませんよね!?
すぐに買い足せるものでもなく、忘れると本当に大変なことになります。
試合特有で必要なものは、持っていくリストと補充リストを作って徹底管理することをおすすめします!
野球部マネージャーの代名詞、スコア!!でもどうやって、何のためにつけるの?
野球部マネージャーはスコアをつける、というのは誰しもがイメージしていると思います。
スコアは、学校や人によって様々なつけ方があるので、一概につけ方のアドバイスはしづらいです。
とりあえず経験上、色分けは3色までにし、ヒットや得点は赤にすると見やすくなります!
あとは、できれば2人以上で試合を観るのをおすすめします。
というのも、試合中に相手校の選手が交代すると、名前やポジションが分からなくなったりします。
スイッチヒッターだと、打席の左右が逆になった時に「選手交代した!?」とか混乱します。
あとは、マネージャーの見ている位置からだと、パスボールやボークなど際どいプレーの判定が分からないまま、試合が進んでしまうことがあります。
そういった時も、1人はとにかく淡々とスコアをつけておく必要があります。
では、スコアはそこまで真剣につけるほど重要なのでしょうか?
スコアは投手の球数確認、気になったプレーの確認といった用途で、監督や選手に貸し出されます。
私の学校では、試合用のマスタースコアが一冊あり、マネージャー各自も自分のスコアを持っていました。
初めはマスタースコアは先輩がつけ、後輩は各自のスコアをつけ、あとで照らし合わせます。
先輩からOKが出て初めてマスタースコアをつけた時は、ちょっと緊張しましたね!
野球部マネージャーの仕事内容についてのまとめ
ここまで、実体験を元に野球部マネージャーの仕事内容を紹介させて頂きましたが、いかがでしょうか?
どんなに大変でも、毎日近くで選手が頑張っている姿、試合で活躍する姿、仲間を応援する姿を見ています。
人を裏でサポートするのは思いやりが必要でとても大変なお仕事ですが、野球に関わり、選手を近くで見守れる喜びがあります。
マネージャーの楽しさ・やりがいが、みなさまに伝わっていれば幸いです!
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